適切なビジネスモデルの選び方

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トピック :

  • カスタマーエクスペリエンス (CX)
  • 戦略計画

例えば、飲食店を開店する場合。自分で作った料理や商品が知人に好評だというだけでは理由として不十分でしょう。起業家として成功するには、製品に対するニーズや需要はあるか、同様の製品で市場がすでに飽和していないかなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。そもそも、事業を運営する方法は知っていますか?

アメリカでは毎年、数百件の新規事業が立ち上げられていますが、その大半が失敗に終わります。あるレポートによれば、その廃業率は全業界である程度一貫しており、以下のようになっています。

  • 初年に20%が廃業 
  • 2年目に30%が廃業
  • 5年目に50%が廃業
  • 10年目に70%が廃業

事業が失敗する理由は、市場への不適合、マーケティング知識の欠如、財政面での問題、計画のあいまいさ、果ては収益化の方法が定義されていないなど、さまざまです。

収益化の方法を探り、顧客のニーズを満たして価値を提供するには、製品やサービスに適したビジネスモデルを選択することが重要です。

ビジネスモデルとは?

ビジネスモデルとは、会社がどのように収益を稼ぐかを表す設計図のようなものです。製品の価格設定などの他にも、さまざまな要因を考慮して作成する必要があります。

よいビジネスモデルとは、以下のような問いに答えられるものを指します。

  • ターゲットとなる顧客は誰か?
  • 顧客に何を販売するか?
  • 製品やブランドへの関心を生み出す方法は?
  • 顧客の関心を維持するために付加価値を加える方法は?
  • 製品の提供にかかる費用は?

こうした質問に答えていくことで、顧客に提供する価値を作り出し、企業の収益も確保できるビジネスモデルが出来上がります。新設の企業が投資家を呼び込み、才能ある従業員を集め、経営陣やスタッフの士気を高める上でも質の高いビジネスモデルが役立つでしょう。

新規企業だけでなく、すでに設立から長年経過している企業でも、変わり続けるマーケティングのトレンドに追いつき、その先をゆくためにビジネスモデルが役立ちます。

ビジネスモデルの種類 

ビジネスモデルにはさまざまな種類があり、幅広い企業に当てはめることができます。一からモデルを作り上げる必要はなく、すでにあるものを流用することもできます。事業に最も適したモデルを選んで、ニーズに合わせてカスタマイズしてみましょう。

フランチャイズ 

確固たる地位を築いた企業が、その成功に寄与したプロセス、製品、商標やブランドを含めた独自のビジネスモデルを提供するモデルです。こうしたフランチャイズの名称や製品を使用し、利益を上げていくには、通常参加時に手数料を支払い、その後定期的にロイヤリティを収める必要があります。

マクドナルドなどの外食チェーン、O’Reilly などの自動車部品店やさまざまな小売店がこれに該当します。

製造

メーカーは自社で原材料から製品を製造し、顧客に直販したり、再販を行う他の企業に卸売します。卸売形態で他社に自社製品を販売している企業はすべて、この製造ビジネスモデルを採用しています。

Ford Motor Company、パン屋や家具メーカーなどが一例です。

クラウドソーシング

「クラウド (群衆)」と「アウトソーシング」をかけ合わせた言葉が「クラウドソーシング」で、個人や組織が外部からのアイデア、ちょっとした作業の遂行、投票、問題解決策や資金提供を募るモデルです。通常、ウェブサイトで訪問者を集め、割り振った作業の実施、アイデアの送信、問題解決を行ってもらい、成果を出す仕組みです。

クラウドソーシングを成功させるには、集まる人たちの興味を惹くような、魅力的な報酬を用意する必要があります。

例えば、LEGO Group では「LEGO アイデア」というウェブサイトを運営し、LEGO Group が販売する製品セットを使ったアイデアやデザインをユーザーから募集しています。販売の収益の1%が選択されたセットの元のデザイナーに還元される仕組みになっています。 

クラウドファンディング

個人や組織が消費者に対して製品への資金提供を呼びかけるもので、アイデア、投票や問題解決を求めない点がクラウドソーシングと違います。クラウドファンディングでは、あるもののの寄付を求め、その見返りにまたあるものを提供します。

例えば、オレンジ郡のロックバンド、The Aquabats は新作アルバムのレコーディング資金集めのために寄付を求めるキャンペーンを Kickstarter で開始しました。寄付をすると、一般発売前にアルバムが一枚もらえ、多額の寄付をしたファンはプライベートライブに招待してもらえる仕組みです。

こうした企業には GoFundMe や Kickstarter などがあります。

契約内容

企業が顧客に対して定期的に課金するモデルで、月、四半期、年単位で計上される売上額を合理的に予測しやすくなる点で優れた仕組みです。契約者が製品やサービスへの支払いを続けてくれるよう、継続的に価値を提供することが求められます。

サービスとしてのソフトウェア (SaaS) ライセンスを提供する企業も、サブスクリプションベースでソフトウェアを提供しています。こうしてライセンス付与されたソフトウェアは一元的にホストされます。

新聞や雑誌などの出版社や Netflix などがこの一例です。SaaS 企業としては、Lucidchart、Adobe Creative Cloud、Microsoft Office 365 などがあります。

広告

広告用のスペースや時間を売って収益を上げる企業が使うモデルで、メディア企業は広告ビジネスモデルを使用して消費者にコンテンツを無料で提供しています。

例えば、民放テレビ局ネットワークは無料で視聴者に番組を提供し、こうした番組の間の広告枠を企業が購入して自社製品を宣伝しています。オンラインでの広告には、YouTube、新聞や雑誌の電子版などがあり、よりインタラクティブでクリックスルー販売につながりやすい傾向があります。

アフィリエイトマーケティング

企業や個人がオンラインサイトの訪問者を提携先の製品やサービスに紹介し、コミッションベースで収益を得るモデルです。サイトに設置したリンクから訪問者が製品を購入すると、リンク経由での購入ごとにサイト運営者にアフィリエイト収入が入ります。 

例えば、TopTenReviews.com などの消費者向けレビューサイトでは、商品をレビューし、長所と短所を挙げ、商品を気に入った訪問者が購入できるリンクを設置しています。

実店舗

1990年代のドットコムバブル以前には、大半の企業がこのモデルを採用していました。小売業者、卸売業者やメーカーは、自社所有または賃貸する実店舗や自社製品を販売し、取引は顧客との対面で行われます。

ショッピングモール、食料品店やレストランなどが一例です。

フリーミアム

「フリーミアム」ビジネスモデルでは、製品の基本的な機能を無料で提供し、より高度な機能を求める顧客に対しては、さまざまな有料プランでそれぞれの希望やニーズに合わせた特定の機能を提供します。

フリーミアムモデルでは、一定期間で終了する期間限定のトライアルの提供とは異なり、製品の基本的な機能はずっと無料で使えます。

フリーミアムモデルはインターネットで広く使われており、ソフトウェアアプリケーションなどで特によく見られます。音楽ストリーミングサービスの Spotify や Soundcloud ではいずれも、広告が表示される音楽ストリーミングサービスを無料で、広告なしのプレミアムストリーミングサービスをサブスクリプションベースで提供しています。

ここで紹介した以外にもビジネスモデルは多数存在しますが、自社がどのように価値を提供し、受け取るかを検討する上では十分に参考になる内容でしょう。

どのビジネスモデルも、すでに無数の企業によって実証されたものです。ニーズに合わせて少し手直しをして、新しいアイデアを加え、自分に合ったモデルに仕立てましょう。

次のステップでは、自社のためのビジネスモデルキャンバスを作成する方法を確認していきます。

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